制度は、自分なりによく考えて慎重に契約したつもりでも被害にあうことはあり、そういう場合にはあきらめないで救済措置を活用しようということで設けられているものである。
契約しても気楽に取り消しできるから大丈夫、という位置づけの制度ではない。
迷った場合には、契約しないできっぱり断ることが大切である。
本当によい内容の契約であれば、消費者からのニーズも多いはずであり、後日であっても契約するチャンスはあるはずである。
あせる必要はない。
悪質商法の手口でも紹介してきたように、迷っている消費者を一押しする悪質商法の「決まり文句」がいくつかある。
迷っているあなたに向かって、事業者が次のようなセールストークを弄するなら、非良心的な事業者だと考えたほうがいい。
もう一度典型的なものを整理してみあなたは、生活のために何が必要なのだろうか。
どんな質のものが必要か。
いくらくらいの予算なのか。
良心的に提供しているのはどの事業者なのか。
契約を締結するときには、自分で調べ比較検討した上で決めるのが基本である。
一方的にアクセスしてきた業者の説明を鵜呑みにして契約するのは危険であり、絶対に避けたい。
別に相手が悪質業者でなくても、不必要なものをその場の雰囲気で購入してしまったら無駄ただいまキャンペーン期間中。
逃すと、特別価格では購入できなくなる(特別に選ばれたあなたにだけの特別価格、というのもよく用いられる)。
自分は、これから次の約束があるので、急いで決めて契約してもらわないと時間がない。
契約書などを読む時間を与えない常套句)。
早いもの勝ち。
早く契約しないと人数オーバーになって仕事を世話できなくなる(内職商法で、熟慮させずに契約させるための常套句。
求人広告でも「先着順00名様。
早いもの勝ち」というものがある)。
迷っているならとりあえず契約を。
いやならいつでもやめられる。
慎重に吟味して決める買い物だったということになる。
モノやサービスがあふれ、様々なライフスタイルがある現代社会のなかで賢い消費生活を送るためには、「消費者契約は消費者主導で」ということである。
相手の事業者に主導権を握られるような状況で契約をすることはやめよう。
たとえば、失敗が多い取引に中古車の販売がある。
中古車は、素人にはなかなか品質がわかりにくいし、特殊な車種を求めている場合には手に入りにくいこともある。
ディーラーのショールームへ見にいったときに、強引に注文させようとする担当者に煽られて、あわてて「とりあえず申し込み」をしてしまうことが結構ある。
帰宅して、もっと別のディーラーとも比較した上で慎重にすべきだったと思い、キャンセルの連絡をすると拒否されたり、高額な解約料を請求されたりするケースが少なくない。
契約をせかす事業者とは契約しないというのは、希少価値の高い商品などでは特に難しいかもしれないが、くれぐれも心得ておきたい重要なポイントである。
良質な商品を、自信を持って販売している業者は、契約をせかしたりしないはずである。
せかす事業者には、消費者に選択するチャンスを与えると契約してもらえない、何らかの理由があるといってよい。
悪質業者とまで決めつけることはできないかもしれないが、あわてて契約するほどの価値はないというべきだろう。
高額な契約、商品の内容が素人から見て簡単に判断できないものや、内容の複雑な契約、長期間にわたる契約、サービスに関する契約などの場合には、事業者の信用性がきわめて重要である。
どんな事業者なのか、契約をする前に事業者に関する情報を慎重に収集して、信頼できる事業者を選ぶような努力をしたい。
たとえば、羽毛布団や磁気マットレス、健康食品などは一見単純な商品に見えるが、実は品質の判断が難しいものである。
だからこそ、消費者被害も多い。
品質については、商品についている表示をよく見ることが大切だ。
複数の業者の説明やパンフレット類を比較検討した上で選ぶしかない。
表示やパンフレットなどの説明資料を信用してよいかどうかは、その事業者が信用できるかどうかにかかっているともいえる。
ただし、マスコミでのコマーシャルが派手でよく知られていることと、信頼できる事業者であるということは、必ずしも一致しない。
巧妙な悪質業者は、頻繁に広告を打ち、よいイメージを演出していることも少なくない。
私の扱った事件で、ある詐欺的利殖商法業者は、定期的に大手出版社の発行する雑誌に広告を掲載していた。
医者や有名企業の管理職などの人々でさえ、「雑誌に定期的に広告を掲載しているということは、自分の知らない事業者ではあるが、信頼できるのだろう」と判断して、被害にあったケースもあった。
経済評論家などがすすめているから安全とも一概にはいえない。
詐欺罪によって摘発された「和牛のオーナー商法」のように、主婦向けの雑誌などで経済評論家が「元本保証の安心な違いが、「まとめ」として再度ポイントを強調しておきたい。
それほどまでに、実行しないため、被害にあう人が多いということなのである。
契約では、最低、以下に掲げる内容は把握する必要がある。
これらは、比較的単純な商品の現金取引でない限りは、契約書などで明確にしておく。
とくに、サービス取引や長期間にわたる取引の場合には、トラブル防止のために重要である。
契約内容をきちんと把握し、契約書もよく読む用方法」として紹介していたケースもある。
契約するものの内容にもよるが、高額な契約の場合には、業者の商業登記簿謄本をとってみるとか、利用者の意見を調べてみるなど、自分で可能な限り業者についての評判などを集める努力をしたい。
建物や床下の点検を依頼するような場合には、契約の内容や料金の確認が大切なことはいうまでもないが、その業者が信頼できる技術を持っているかどうかは、重要なポイントである。
契約は、「約束」である。
信頼できるかどうか確信が持てない相手と約束するのは、危険だということを心得ておきたい。
住所、名称、代表取締役などの経営責任者、電話番号を把握しているか。
電話番号は、携帯電話番号やフリーダイヤルのみという場合には避けたほうがよい。
事業者が実在するかどうかも確認するのは当然である。
えば、商品ならば、いつ引き渡されるか。
サービスならば、いつ、どこで、どのような方法で、誰から提供されるか。
契約書などは署名捺印する前によく読み、自分の納得できる内容かどうかを確認する必要がある。
読まないで署名捺印することは絶対にしてはいけない。
自分で読もうとしても、難しいとか、字が小さいなどの事情でよく読めない場合がある。
こういう場合には、十分読んだり、助言を受けたりすることができるだけの時間を要求するようにしたい。
もし、せかされて契約書などを読んだり調べたり、助言を受けたりする機会を与えられなか契約したら、契約書の控えをもらおう。
もらった契約書は、落ち着いてじっくりとよく読んで再度確認する。
納得できないことやわからないことがあったら調べてみよう。
契約するときには見落としていたようなことに気がつくこともある。
契約書の控えをもらうことは、契約内容を確認しておくためには必要不可欠である。
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